長女が小学校へ入学する前、私はどこかでこう思っていました。
「小学生になれば、少しは楽になるかもしれない」
言葉での意思疎通もできるようになるし、自分でできることも増える。
保育園の頃のように、おむつの心配もなければ、何を伝えたいのか分からず困ることも少なくなるだろうと思っていたのです。
ところが、実際に入学してみると、その考えは良い意味でも悪い意味でも裏切られました。
まず驚いたのは、帰宅時間の早さです。
入学直後は4時間授業の日が続き、お昼過ぎには帰宅します。
保育園時代は夕方まで預かっていただけていたので、その差に戸惑いました。
また、保育園の頃は先生と毎日のように顔を合わせ、子どもの様子を教えていただけました。
しかし小学校では、先生と直接話す機会はほとんどありません。
子どもが学校で何をしているのか、どんな友達と過ごしているのか、あまり話さないタイプの子であればなおさら分かりません。
さらに、
・大量の提出書類
・毎日の持ち物確認
・宿題の丸付け
・音読チェックとサイン
など、想像以上に親の出番が多いことにも驚きました。
「手が離れる」と思っていたのに、実際には関わり方が変わっただけだったのです。
小1の壁とは?
巷では「小1の壁」という言葉があります。
子どもが小学校へ入学することで、それまで保育園時代には成立していた仕事と子育ての両立が難しくなる現象のことです。
代表的なものとして、
・下校時間が早い
・長期休暇への対応
・学童保育の課題
・学校行事やPTA活動
・宿題や持ち物管理
・子どもの精神的負担
・親の働き方への影響
などがあります。
一言で表すなら、
「手が離れると思ったら、別の形でサポートが必要になる」
ということなのだと思います。
なぜ小1の壁は起きるのか
私は、小1の壁が起きる最大の理由は、保育園と小学校の役割の違いにあると思っています。
保育園は、保護者が働くことを前提に作られた場所です。
朝から夕方まで子どもを見守り、生活面もサポートしてくれます。
一方で小学校は、学ぶ場所です。
もちろん子どもたちを見守ってくださいますが、生活全般を支える場所ではありません。
そのため、
・放課後をどう過ごすか
・宿題をどう管理するか
・長期休暇をどう乗り切るか
といった部分は、家庭が担うことになります。
また、子ども自身も大きな環境変化の中にいます。
新しい先生。
新しい友達。
初めての授業。
毎日緊張しながら過ごしている子も少なくありません。
親も子も、新しい環境に適応しようとしている。
だからこそ、小1の壁は起こるのだと思います。
私が最初にぶつかった壁は「下校時間」だった
私が最初に困ったのは、やはり下校時間でした。
保育園の頃は、仕事が終わってからお迎えに行けばよかった。
しかし小学校は違います。
入学直後は4時間授業の日が続きます。
気付けばお昼過ぎには帰宅。
共働き家庭にとっては、ここが最初の大きな壁になります。
もちろん学童という選択肢はあります。
我が家も利用しました。
ですが、「学童があるから安心」で終わるほど簡単ではありませんでした。
学童問題は思っていたより奥が深かった
入学前の私は、
「学童に行けば大丈夫」
と思っていました。
ところが実際には、学童ならではの悩みがありました。
まず、子どもが学童に行きたがらなくなるケースです。
同じクラスの友達がお家へ帰っていく姿を見れば、
「私も帰りたい」
と思うのは自然なことです。
ですが低学年の場合、
・一人で帰宅できるか
・鍵を開けられるか
・留守番できるか
といった課題があります。
親としては心配だから学童へ行ってほしい。
でも子どもは帰りたい。
このすれ違いは、多くの家庭が経験するのではないでしょうか。
さらに、学童は保育園の延長線ではありません。
異なる学年の子どもたちが一緒に過ごします。
友達同士のトラブルもありますし、上級生との関係に悩むこともあります。
実際に私は、
「今日は学童に行きたくない」
という言葉を何度も耳にしました。
もちろん学童自体が悪いわけではありません。
ただ、保育園と同じ感覚で考えていると、思わぬ壁にぶつかることがあります。
そして、この問題は長期休暇になるとさらに大きくなっていくのです。
長期休暇問題は想像以上に大変だった
学童の悩みは、長期休暇になるとさらに大きくなります。
保育園時代は、基本的に毎日給食がありました。
しかし学童ではそうはいきません。
学童によっては仕出し弁当を注文できるところもありますが、すべての施設が対応しているわけではありません。
そのため、多くの家庭では毎日お弁当を用意することになります。
最初は「お弁当くらい大丈夫」と思っていました。
ですが、それが何週間も続くとなると話は別です。
仕事へ行く前にお弁当を作り、自分の準備をし、子どもの支度も整える。
たった一つ作業が増えるだけなのに、毎日となると負担は決して小さくありません。
さらに子どもにも子どもなりの事情があります。
周りの子がお母さんの手作り弁当を持ってきている中、自分だけ違うと気にしてしまうこともあります。
親としては少しでも喜んでもらいたい。
でも毎日完璧に作るのは難しい。
そんな葛藤を抱える保護者の方も多いのではないでしょうか。
宿題は子どもだけの問題ではない
長期休暇になると、宿題の存在も大きくなります。
特に大変だと感じたのが自由研究です。
自由研究と聞くと、
「興味のあることを調べてまとめる」
というイメージがあります。
しかし実際には、調べ学習だけではなく工作や製作物を提出する子も多くいます。
例えば恐竜について調べる場合。
本だけでなく博物館へ行ったり、展示を見たりすることで理解が深まります。
ですが、働いている家庭の場合、
「いつ行くのか」
というスケジュール調整から始まります。
子どものやる気だけでは完結しません。
保護者の協力が必要になる場面も少なくないのです。
自由研究は子どもの課題でありながら、実質的には家族のプロジェクトのようになることもあります。
読書感想文の壁
自由研究と並んで悩ましいのが読書感想文です。
学校によって取り扱いは異なりますが、低学年から取り組むケースもあります。
正直なところ、
「まだひらがなを習ったばかりなのに?」
と思ったこともありました。
もちろん一人で書ける子もいます。
ですが、
・どんな本を選ぶか
・何を感じたか整理する
・文章にまとめる
という作業は、大人が思っている以上に難しいものです。
我が家でも、
「どこが面白かった?」
「主人公はどんな気持ちだったと思う?」
と会話しながら進めることが多くありました。
読書感想文は子どもの宿題ですが、低学年のうちは保護者のサポートが必要になることも少なくありません。
学年が上がると新しい壁が現れる
そして、我が家が次にぶつかったのが学童卒業問題でした。
低学年の頃は学童へ通う子が多くいます。
ところが学年が上がるにつれ、少しずつ学童を利用しなくなる子が増えていきます。
すると子どもは言います。
「〇〇ちゃんは帰れるのに」
「みんなで遊ぶ約束したのに」
親としては心配です。
まだ留守番は不安。
でも子どもは友達と同じように行動したい。
この気持ちのズレが生まれます。
さらに放課後に友達同士で遊ぶ機会も増えます。
公園へ行ったり、誰かの家へ集まったり。
その中で新たな課題も出てきます。
保護者が在宅している家庭に子どもたちが集まってしまうことです。
もちろん子ども同士の交流は大切です。
ですが、毎回同じ家庭に負担が集中してしまうと、長く良い関係を続けるのは難しくなります。
子どもだけでなく、保護者同士の気遣いも必要になってくるのです。
我が家がたどり着いた解決策
こうした悩みの中で、我が家が選んだのはスマホを持たせるという方法でした。
小学生にスマホなんて早い。
そう思う方もいらっしゃるかもしれません。
私自身も最初はそうでした。
ですが、
・帰宅確認
・連絡手段の確保
・位置情報の確認
など、共働き家庭にとって大きな安心材料になりました。
もちろんメリットばかりではありません。
使い方を誤ればトラブルの原因にもなります。
だからこそ、家庭ごとのルール作りが重要だと感じています。
まとめ
小1の壁という言葉がありますが、実際には小学校生活が始まった瞬間に終わるものではありません。
子どもが成長するたびに、新しい悩みや課題が出てきます。
ただ、それは子どもが成長している証でもあります。
保育園の頃とは違う悩みが生まれても、それは決して失敗ではありません。
手が離れるのではなく、親のサポートの形が変わっていく。
私は小学校生活を通してそう感じるようになりました。
もし今、小1の壁に悩んでいる方がいたら、
「みんな同じように悩みながら進んでいる」
ということをお伝えしたいです。
そして我が家がたどり着いた解決策の一つが「スマホを持たせる」ことでした。
次回は、小学生にスマホを持たせるメリットとデメリット、そして我が家で決めているルールについてお話ししたいと思います。



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